THE NEWZ Vol.14 日本語
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中国と日本の医療制度は相違点ばかり!?まず、中国と日本の医療制度を比べるに当たり、両国の医療保険制度を見てみましょう。みなさん、こんにちは!現在、桜美林大学に通っている春日香希です。今回の記事を含めてこれから5回に渡り皆さんに、中国と日本の医療に関する記事を届けていきたいと中国の公的医療保険制度は主に2種類に分かれます。1つが都市部に戸籍(都市戸籍)があり且つ就労している人を対象とした、強制加入の「都市職工基本医療保険」。そしてもう1つが、都市部に戸籍があるが就労していない(非就労者)、もしくは都市外に戸籍(農村戸籍)をもつ人を対象とした、任意加入の「都市・農村住民基本医療保険」です。医療保険が2つに分かれているからには、もちろん医療保険の適応範囲や医療費の自己負担額などに相違が存在します。日本の公的医療保険は、全国民に加入が義務付けられているため、中国の任意加入と強制加入が併存している点で大きな差異が見られます。また日本は年齢や就労有無によっ思います。そして記念すべき第1回目はまず「中国と日本の医療制度の比較」をテーマに、具体的な事例も踏まえて紹介していきたいと思います。て自己負担額の割合が一律に決まるのに対し、中国では保険料を支払っている地域以外での受診・治療は全額負担、医療保険の種類や病院のランクなどに応じて負担額が変動するなど、違いが見られます。例えば、現在就労中の30代の方が、日本または中国それぞれで医療機関を受診した場合を考えてみましょう。日本では基本的に自己負担額が一律3割(高額治療費制度を活用する場合、自己負担限度額あり)であるのに対し、中国(北京市の都市職工基本医療保険)の場合、1,800元(約37,000円)までの医療費は全額自己負担、1,800元以上20,000元以内の医療費は病院のランクに応じて1割もしくは3割自己負担と状況に応じて異なります。(日本及び中国の医療費の自己負担額に関する詳細な説明は以下の図をご覧ください。)11 春日 香希     桜美林大学中国と日本の医療制度の比較

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