研修医プログラムに応募する新人医師による人工中絶を禁止している州での勤務を避ける傾向2022年から2023年にかけて、研修医プログラムに応募する新人医師が、人工中絶を禁止している州での勤務を避ける傾向があることがデータで分かっています。特に、人工中絶が全面的に禁止されている州での産婦人科志願者は10.5%減少しています。その理由の一つとして、新たな生殖医療規制が増加することを恐れていることがあげられます。また、トレーニングを受ける際に、学ぶことができる範囲が限られてしまうということも懸念されています。約半分の産婦人科研修医プログラムは人工中絶が禁止されている、または厳しい制限がある州で行われています、その地域でのプログラムでは、医療緊急事態への ミズーリ州私の大学があるミズーリ州では、上記で述べた通り、人工中絶が完全に認められていません。ミズーリ州の共和党は、人工中絶を受けた女性を、殺人罪で起訴できる法案を提案しています。脅迫などによる妊娠や、母体の生命に危険が伴う場合には、例外として中絶を認めるとしています。私の友達も人工中絶には反対意見が多く見られ、日本で生活していた時には考えていなかったことについて考えるきっかけに オハイオ州での中絶に対する人工中絶への投票結果2023年11月7日、オハイオ州では人工中絶に対する考えへの住民投票投票が行われました。結果は、賛成派が55%,反対派が44%と、人工中絶を認める意見の方が多い結果となりまド、ニュージャージー、ニューメキシコ、オレゴン、バーモント、ワシントンD.C.は制限がありません。一方で、人工中絶が禁止されている州は、アラバマ、アメリカサモア、アラカンザス、アイダホ、インディアナ、ケンタッキー、ルイジアナ、ミシシッピ、ミズーリ、ノースダコタ、オクラホマ、サウスダコタ、テネシー、テキサス、ウィスコンシン、ウェストバージニアです。ジョージアとサウスカロライナは妊娠6週目以降、ネブラスカとノースカロライナは12週目以降、グアムは13週目以降、アリゾナとフロリダは15週目以降、ユタは18週目以降の人工中絶が禁止されています。これから先、中絶に対する考え方が変わる可能性がある州は、ウィスコンシン、アイオワ、モンタナとワイオミングで、ウィスコンシンでは論争状態で、アイオワ州では22週目以降は人工中絶禁止、モンタナとワイオミングは胎児の生存が確認できる州(23-24週)までなら人工中絶が可能となっています。した。この人工中絶に対する投票で反対意見が勝っていた場合、妊娠6週以降の中絶は禁止になるなどの厳しい法律が適用されることになっていたかもしれません。対応か、州外でのローテーションになる可能性があるということがあげられています。特に産婦人科の研修医への応募が減少したことで妊産婦医療の不足が深刻化する可能性があるとされています。新人医師が人工中絶を禁止している州での勤務を避けることによって、その地域のクリニックや医師の減少が懸念されています。この規制による産婦人科医やクリニックの減少は、中絶だけでなく、それ以外の検査や治療の提供も減少する可能性があります。なりました。自分自身の命だけでなく、胎児も一つの命として尊重するべきという意見と人工中絶をするかしないかは個人の自由にするべきという意見があり、どちらが100%正しいと決めることは難しいと思います。しかし、脅迫や経済的な理由などのさまざまな理由から、意思決定権はあるべきなのではないのかなと私は思います。6
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