幸福度の高い国コスタリカ みなさん、こんにちは。シアトルの自然関係の学校に通っている西山七海です。気温もぐんと下がって、植物たちにも霜がかぶっているこの頃。あたり一面、白っぽくなってきたせいか、太陽の暖かさが恋しくなり、ふと夏に訪れたコスタリカという国のことを思い出しました。私はコスタリカ滞在中に、破傷風ワクチン接種のため、現地の病院に “Pura vida(プラヴィーダ)!” コスタリカに行くと耳にするこの言葉。”純粋な人生”、または、”良い生活”のシンボルとしてよく使われています。健康で、仕事があり、家族や友達と時間を過ごせること、それだけでプラヴィーダという人も…。 コスタリカは、美しいビーチと熱帯雨林に恵まれており、想像を超える色とりどりの動物たちが生息しています。また、人々の生活は非常にゆったりしていて、地方ではトラックで果物や野菜を売っている人を多く見かけたり、街中を歩いているだけでたくさんの人が声をかけてくれる等、人々の温かさが強く印象が心に残っ コスタリカは何十年もの間、公衆衛生を優先し、病気の予防や、死亡・障害を防ぐために多額の投資をしてきました。1970年代には、GDPに占める保健医療費の割合が、英国を含むいくつかの先進国よりも高かったこと訪れました。その時に、数十年前にアメリカからコスタリカに移住したとある男性とお会いしました。その方曰く、コスタリカのヘルスケアシステムは本当にいい、だからここに住んでいると…。そんなことを思い出したので、今回はコスタリカという国の印象から現地のヘルスケアシステムについて紹介していきたいと思います。ています。また、民主制度が安定しており、多くの人々が適切な教育を受けています。コスタリカの大統領であるカルロス・アルバラド・ケサダ氏は、2019年に次のように述べました。「70年前に兵隊を持つことをやめてから、GDP(国内総生産)の8%を教育に投資できている。私たちの強みは人の才能、また幸福度にあります」。また、コスタリカは中央アメリカで唯一、全国民が電気と飲料水に100%アクセスできる国であり、国民皆保険を提供している数少ない国の 一つです。が奏功し、1985年までに平均寿命はラテンアメリカの中で最長となり、米国と肩を並べました。子どもの死亡率は、1970年の1,000人当たり約74人から、1989年には約17人までに大幅に減少しました。さらに近年、コス西山 七海 ウェルダネスアウェアネススクール コスタリカのヘルスケアシステムの現状コスタリカのヘルスケアシステム
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