THE NEWZ Vol.16 日本語
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セラピードッグとは セラピードッグは、特別な訓練を受けており、主にメンタルケアを必要としている患者さんや人々の心の健康を向上させる補助をする活動を行っています。通常、セラピードッグは学校や病院、老人ホームなどで支援活動を行い、心の癒しを提供しています。セラピードッグの セラピードッグの効果• 抑うつ状態を和らげ、全体的な気分を向上させる。• 治療中の患者さんの治癒と回復に不可欠な睡眠の質 介助犬との違いについて ご存じの方もいらっしゃると思いますが、セラピードッグと介助犬、どちらも必要に応じた特別な訓練を受けており、それぞれ違った役割を持っています。 介助犬は、障害を持つ方の日常生活においての様々な動作を手助けする役割を持っており、障害を持つ方のニーズに合わせて専門的な訓練を受けています。中でも、視覚障害を持つ方のための盲導犬は、介助犬の中でも最も広く知られているのではないでしょうか。近年では、糖尿病を患う患者さんに向けて、患者さんの血糖値を検 皆さんこんにちは。皆さんはセラピードッグという言葉を聞いたことがありますか?日本でセラピードッグといえば、病院や介護施設、福祉施設等で活躍しているイメージを思い浮かべる人が多いのではないのでしょうか?高校生の頃から現在まで、アメリカで暮らしてきた私にとっては、学校でセラピードッグと触れ合える環境を向上させる。• 患者さんの治療に対する恐怖や不安感を和らげる。• 患者さんに限らず、触れ合いを通して不安やストレスの軽減等といった感情的なサポートを提供する。• セラピードッグのサポートを通して、認知症の患者さんや自閉症スペクトラム障害の患者さんの症状にプラスな作用をもたらす。など、セラピードッグは上記のような効果をもたらします。があることが当たり前のよう思っていましたが、最近日本に住んでいる友人と話した際に、日本でセラピードッグのいる高校や大学はアメリカに比べて少ない事を知りました。今回の記事では、セラピードッグについて学んだことを皆様にご紹介したいと思います。性格として、温厚で気さく、フレンドリーであることが挙げられており、比較的犬が苦手な方でも触れ合いやすいのが特徴的です。セラピードッグは介助犬と異なり、活動中に撫でる等、人々との様々な触れ合いが推奨されています。 ドッグセラピーは決して今に始まった治療法ではありません。実はこの方法は、数世紀にわたって使用されています。初めは農場で使用されており、1800年代後半には、看護の先駆者であるフローレンス・ナイチンゲールが、患者の症状の回復に、「人間と密接な関係をもつ動物」と過ごすことを推奨していたそうです。更に、著名な神経科学者であるジークムント・フロイトは患者とのより良い対話を図るために、愛犬の力を借りていたようです。また、イギリスにおいては1976年、看護師のエレイン・スミスが先駆けとなってセラピードッグを導入する団体を立ち上げました。知したり、不安発作が続く不安障害を持った患者さんのために、薬や水を持っていく等の訓練を受けた介助犬の需要が高まっているようです。 つまり、セラピードッグはメンタルケアを中心に多くの人々との交流が推奨されているのに対し、介助犬は、特定の障害を持つ方を介助する訓練を受けています。なので、介助犬は、一般の公共施設に立ち入る権利を有し、障害を持つ方の支援をしながら、動物の立ち入りが制限されている場所にも入ることができます。種類に縛りはなく、不安や恐怖症等、精神的なサポートを必要とする人々の助けになる存在です。エモーショナ神澤 萌音 ニューヨーク州立大学オルバニー校 エモーショナルサポートアニマル 介助犬や、セラピードッグの他にも、エモーショナルサポートアニマルと呼ばれる動物も存在します。動物の心を癒すセラピードッグ

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