ルームメイトのうちの一人が同じ大学で薬学を専攻しており、彼女がとある講演会に私を誘ってくれました。その講演会は、不妊治療を含む婦人科系の研究を行っている博士が学生たちへ向けて、将来子どもが欲しいと思ったときに不妊治療とい 不妊治療には感情的壁と経済的壁の2つの壁が存在します。なかでも感情的壁においては、『不妊治療とはなにか』ということを理解することが重要だそうです。講演会で『不妊症は9人に1人、または8組のカップルに1人に影響を与えます。 これにより、不妊は病気であり、不妊治療は贅沢品と見なされるべきではありません』というメッセージが印象に残りました。不妊が表面的な問題ではないこと、不妊治療は必要な生物学的医療であることを強調していました。 それでは不妊治療における感情的壁と経済的壁の2つの壁について日米比較を記述したいと思います。 日本でも不妊に対する社会の認識は徐々に変化していますが、まだまだタブー視されることもあるのが現状です。治療のために会社を休むと周りの目が気になったり、副作用による体調不良から仕事との両立は難しいといった女性が抱える悩みも影響します。また、不妊治療は行っていても、患者への精神的なサポートが重視されているクリニックはかなり限られているようです。 一方で、アメリカでは比較的オープンに不妊治療に取り組む文化があります。情報へのアクセスが容易で、クリニックにおいて患者サポートが充実しているため、サポートグループやカウンセリングの提供が社会的に広まっています。う選択肢があることを知ってほしいという啓蒙活動の一環でした。今回、私はそこで得た知見や不妊治療における日米比較について皆さんにシェアしたいと思います。カウンセリングや相談サービス3 なぜ不妊治療に興味を持ったか 不妊治療は贅沢品ではない 感情的壁における日米比較池田 唯花ワシントン大学 不妊治療における日米比較
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