THE NEWZ Vol.18 日本語
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アメリカと日本のメンタルヘルスの問題について 皆さん、こんにちは!私は、シアトルで自然と人との繋がりについて勉強しています。最近は、小さな植物たちが芽を出し始め、うさぎはぴょんぴょんと跳ねまわり、鳥たちの歌声は大きくなってきています。 私は毎朝、近くのメープルの木の下に座り、瞑想をするのを習慣にしています。自然の中に身を置き、少しでも時間を過ご アメリカでは、成人の20.78%が精神疾患を経験していて、人口に換算すると5000万人以上に相当します。また近年の若年成人は、社会的、感情的な困難に直面しており、若者の5人に1人は18歳になるまでに深刻な精神疾患に苦しんでいて、3人に1人は1年目で大学を退学したり、標準的な4年間で大学を卒業できる人は40%未満と言われています。 一方、日本では、精神疾患を伴う患者は、258万人(2002年)から419万人(2017年)と15年間で1.6 新鮮な空気と適度な運動。いつも私自身、自然の中を走った後はスッキリし、精神的にも肉体的にも活力を与えてくれる気がします。ある研究が明らかにしたのは、自然との結びつきが強い人ほど人生において幸せで、自分の人生に価値があると感じる傾向があるということ。また、自然は穏やかさ、喜び、創造性など、多くのポジすと、心が落ち着き、クリアになります。そこで、ふと、メンタルヘルスと自然セラピーが、ここアメリカではどのように捉えられているかが、気になりました。今回は日本とアメリカでのメンタルヘルス問題についてと自然がメンタルヘルスにどのような影響を与えるかについてまとめていきたいと思います。倍増加。経済協力開発機構(OECD)の 2021年のメンタルヘルスに関する国際調査では、うつ症状を有する日本人の割合はコロナ前の7.9%(2013年)から17.3%(2020年)と2.2倍に増加したという報告もみられます。うつ病等の精神疾患は自殺の発生に深く影響を与えることが明らかになっており、自殺者の98%は何らかの精神疾患を有しているとの先行研究結果も…。 自然のメンタルヘルスへの効果とは…!ティブな感情を生み出し、集中力を高めることができると言われています。自然とのつながりはまた、不健康な精神状態、特に抑うつや不安のレベルの低さとも関連しているそう。 自然が私たちのメンタルヘルスに与える影響は大きいことがわかります。ここから、欧米ではどのような自然を用いたセラピーがあるか見ていきます。患者をサポートする、定期的で体系化された活動を指すことが多いよう...!7 エコセラピーとは 欧米では、自然の中で野外活動を行う正式な治療法はエコセラピーと呼ばれています。エコセラピーの定義はひとつではありませんが、訓練を受けた専門家が指導し、ウィルダネスアウェアネススクール日米比較メンタルヘルスとエコセラピーの関係西山 七海

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