THE NEWZ Vol.22 日本語
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12 この記事では、多くの先進国が直面している重大な問題、「出生率の低下」について深く掘り下げる。ここでは、私が現在留学しているハンガリーと日本の両政府の対応に焦点を当てる。両国とも、出生率低下の問題の複雑さと緊急性を示す良い例だろう。人口の大幅な減少を受け、両国がそれぞれの歴史・経済・社会的背景を反映させながら、どのようにこの問題の解決に取り組んでいるのかを紹介する。 日本の少子化問題は根強く、深刻で最近の統計では合計特殊出生率が1.20にまで低下している。そして、日本の高齢化によってさらに深刻化し、国の社会保障にさ1.子ども手当: 政府は、3歳未満の子どもを持つ親に対する児童手当を3万円に倍増し、高校生まで拡大することを提案している。2.社会保険の適用 :これまでカバーされていなかった出産費用に社会保険を適用し、妊婦世帯の経済的負担を軽減する。 日本の少子化対策 「異次元の少子化対策」の主な内容 本記事では、革新的な政策の立案から大規模な社会プログラムまで、この2カ国の立てた戦略を見ていく。これらの政策の有効性だけでなく、より幅広い社会的意味合いにも焦点を当て、これら2カ国で同じ課題にどのように取り組むべきかを探っていく。らなる負担を強いている。こうした傾向を逆転させる野心的な試みとして、岸田前首相率いる政府は「異次元の少子化対策」を打ち出した。3.保育プログラム : 親の雇用形態に関係なく、すべての子どもが保育所に通えるようになる。4.育児休業給付金 : 育児休業給付金の拡充として、休業期間中の税引き後所得の最大100%を支給し、父親の育児休業取得を促進する。出生率低下高野内 翔太センメルワイス大学

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