8 人口500万人の中米・コスタリカは、ご近所看護の発祥地である。都市部であれ、バナナ農園であれ、船でしか行けないような辺鄙な村であれ、保健ワーカーのチームが少なくとも年に1回は住民の家を訪問する。この方法を30年間続けてきた結果の成果は目覚ましい。結核や肝炎などの伝染病による死亡者は94%減少。国 人口500万人の中米・コスタリカは、ご近所看護のボルチモアでのご近所看護プロジェクトはまだ試験段階。信頼関係を築き、地域社会からのフィードバックを集めているところである。課題の一つとして、地域住民からの信頼レベルに違いが見られるという。研究によれば、患者と医療提供者の信頼関係がカギを握っている。最初の2、3週間は、"あの人たちは誰?"という感じだったのが、今では、みんな家のドアを開けて『どうぞ、座っ 日本では、コロナ禍で介護施設での集団感染が起こったことから、デイサービスに通っていた方々もコロナの時は通うことを辞めざるをえなかった。最後の砦であった訪問介護。訪問看護の従事者はこう言い残している。「訪問介護でケアした患者さんの症状の変化を医療 / 医師に繋げることが難しい。最後の砦である訪問介護の 2017年、奈良県で初めてコミュニティナースのコンセプトが導入された。こちらは、暮らしの身近なところで、元気なうちから、『毎日の嬉しいや楽しい』を一緒につくり、心身、そして社会的な健康やウェルビーイングに寄与する取り組みだ。実践の中身や方法は、それぞれの形があり100人100通りの多様な形で社会にひろがっている。 必要なサービスが必要な人に届くよう、アメリカでも日本でも徐々に広がっています。こういうシステムがもっと広がれば、老後をもっと安心して暮らせる人が増えるのではないかなと感じました。コスタリカ発祥のケアシステム 地域の人々からの評価は?コロナ禍で見えた日本の介護と医療の課題 日本で起こっている取り組みは? まとめ民の医療格差も改善され、糖尿病や心臓病などの慢性疾患の治療も成果も上がっている。コスタリカは、一人当たりの医療費を米国の10%未満に抑えながら、これだけの進歩を達成したのである。てください』と言ってくれるようになったそう。また、サラ・サントン氏によれば、進歩の兆候として、地域社会が積極的に所有権を掲げ、プロジェクトの形成に協力していることを挙げている。ボルチモアに長年住んでいるレジーナ・ハモンドと数人の隣人は、より安全な運動の選択肢が必要だとチームに話し、毎週、近所のウォーキング・グループを立ち上げる計画を練った。このように、地域コミュニティ活動の活発化にも繋がっている。私たちと医療等を繋げる、そういった受け皿が欲しい。」 身近な人だからこそ気づくことができる些細な変化。私は、それをすぐにでも医療へ繋げることができるシステムが、このご近所看護ではないかと思います。
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