THE NEWZ Vol.24 日本語
7/17

6 世界のAIロボットの活用と研究 まとめオランダの高齢者施設ホグウェイケアなど、家族を支援するためのリソースが用意されている。とはいえ、人手不足や家族にかかる負担、人々の認知症への理解や認知症患者のメンタル面のサポートなど改善が必要だと見込まれています。では、世界的に有名なオランダのホグウェイではどのような対策が取られているか順々に見ていこうと思います。すべてのスタッフは認知症の方との接し方について十分な知識と経験を持つ専門家なので、認知症の方々が安心して生活できるとともに、たとえば、買い物の際に財布を忘れたり、お釣りの計算ができなくなってしまった場合でも、適切なサポートを提供することが可能だそうです。大きな特徴として挙げられるのが、入居者の生活様式を7つのユニットに分類しているため、似ている価値観の人同士で生活をともにできる仕組みがあるということです。インドア派、芸術派、都会派、クリスチャンなど、部屋や町のスタイルまでその好みに沿って選べるそうです。認知症患者のニーズに応じて作り上げることがいかに重要であるかということが言われています。ロボットを日常生活にうまく組み込むためには、感情的なつながりと実用的な機能性のバランスをとることが必要なので、社会的支援ロボットはタスクを支援するだけでなく、ユーザーの感情的ニーズにも応えることができるようになるそうです。でも、ビレッジまでとは行かずとも、認知症のことについてもっと学ぶ機会、支え合える場が増えればいいなと感じました。3.政府の支援: 日本の介護保険制度は、認知症の人に安価4.家族中心のアプローチ: 日本では家族支援の文化が強ホグウェイはオランダ・アムステルダム郊外に位置する、認知症の方専用の老人ホームです。2012年から「認知症の方だけが住む村」として世界に紹介され、その独自の取り組みにより国際的な名声を得た福祉施設です。この施設の基盤は、「認知症の方が“日常生活”を送ることができる村」という理念で、スーパーや映画館、レストランなどの生活に必要な施設が整っており、重度の認知症を患う方々が敷地内で自由に活動できる環境が整えられています。入居者に対して、スタッフの人数が多く、何か起こった際のサポートがすごく充実しています。また、彼らはナース服や介護服を着用せず、「住民の一員」として入居者に接します。現在では、世界中でAIロボットが実用面・心理面の双方で高齢者や認知症患者のサポートとして使われるようになってきています。クイーンズランド大学では、ジャネット・ワイルズ博士とそのチームが認知症ケア研究の最前線に立ち、技術開発において、AIロボットの参加型デザインを提唱しています。認知症の人のためにテクノロジーを設計するには、認知症の方々の個々人の強みと必要性を理解して、個々人に合わせて設計することが大切だと述べています。また、ウォータールー大学では、Moojan Ghafurian博士のチームが、社会支援ロボットの複雑な領域に光を当てており、それは、ロボットが担う実用性と感情的知性、また個々のニーズのバランスです。特に、ロボットの感情や個性を、個々のオランダのホグウェイのように、認知症のことをよく理解している方々が周りにいるということは、認知症患者にとってすごく心強く、生活がしやすいだろうなと感じました。日本なケアを提供している。この制度は包括的で、在宅介護サービス、デイ・プログラム、入所介護のオプションを提供している。この制度は、認知症の人が過度な経済的負担を負うことなく、必要なサポートを受けられるようにするのに役立っている。い。多くの家族が大切な人のケアに関わっており、介護者の燃え尽きを防ぐためのカウンセリングやレスパイト

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る