THE NEWZ Vol.25 日本語
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for SaMD)」を開始し、従来の医療機器と同様に厳格な審査プDASH for SaMDなどの取り組みによって承認プロセスの効率化 一方、日本では急速な高齢化や慢性疾患の増加、医療従事者不足が深刻化し、医療現場の負担軽減と質的向上が喫緊の課題となっています。このような状況下で、電子カルテや遠隔診療だけでなく、ソフトウェア医療機器(SaMD)の活用に大きな期待が寄せられています。SaMDは、疾患の診断、治療、予防に貢献するソフトウェア製品として、従来の医療機器とは異なる新たな治療モダリティとして注目されています。例えば、CureApp SCはアジア初の治療アプリとして厚生労働省の承認を受けた禁煙治療用SaMDで、患者はスマートフォンを通じてパーソナライズされた治療プランを実施し、医師はリアルタイムで得られるデータをもとに対面診療と連携しながら治療の効果を高めることが可能です。さらに日本政府は2020年11月、「プログラム医療機器実用化促進パッケージ(DASHロセスを見直し、迅速な承認を目指す仕組みを整備しました。今後は、政府主導の統一的なデジタルヘルス基盤の構築や、医療機関や保険者、産業界の連携強化を推進することで、デジタル医療の普及がさらに加速し、医療費抑制と患者のQOL向上を同時に実現することが期待されています。 ドイツのDiGAと日本のSaMDはいずれも、医療制度の課題を解決するためのデジタルヘルス技術として注目を浴びています。ドイツでは、DVGやDiGA Fast-Track制度により保険償還と迅速な承認プロセスが整備され、スタートアップ企業が革新的なサービスを開発しやすい環境が形成されています。一方、日本では、高齢化社会への対応策としてSaMDの導入を推進し、と市場参入の促進を図っています。しかし、2022年9月時点のデータによれば、保険償還済みのデジタル治療製品数はドイツが数十件に及ぶ一方、日本では数件にとどまっています(下図参照)。また、保険償還される価格帯もドイツの方が幅広く、多様な疾患領域をカバーしている状況です。さらに、2021年6月の時点で比較すると、EU全体やアメリカと比較しても、日本における承認件数が相対的に少ないことが示唆されています。これらのデータは、日本がデジタル医療分野において、まだ十分な製品承認・普及段階に至っていない現状を浮き彫りにしています。今後は、日本がドイツやアメリカなどの成功例や課題を参考に、法制度や技術基盤の整備を加速させるとともに、医療機関・保険者・企業間の連携を強化することで、デジタル医療の質と効率を高める新たなモデルが確立されることが期待されます。こうした取り組みがさらに成熟すれば、日本も国際的にデジタル医療の潮流をリードする存在へと成長する可能性を十分に秘めていると言えるでしょう。 日本のデジタルヘルスの現状と仕組み 両国の比較と今後の展望9

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