THE NEWZ Vol.26 日本語
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17では、対して、フランスでは実態はどうなっているのでしょう。そしてフランスの医療ツーリズム市場規模も同様に成長しており、2022年には、45億9,200万ドル(約6,782億円)に達し、年平均成長率(CAGR)は2032年までには年平均成長率8.5%で増加すると予測されています。成長要因としては、高度に発達した医療施設や技術の存在、そして質の高い肥満手術、歯科治療、美容整形手術が受けられることが挙げられます。 今では、急成長が見込まれているフランスの医療ツーリズム業界。 しかし、以前は他のヨーロッパ各国に遅れをとっていました。風向きが変わったのは、2015年。医療経済学者のジャン・ドゥ・ケルヴァスドゥエが、病院が外国人患者向けの包括的なパッケージ作成を支援し、6ヶ国語のウェブポータルを立ち上げ、各国の大使館でフランスの医療を宣伝するための統括組織「メディカル・フランス」の設立を提言したのです。下のグラフのように、医療ツーリズムは、アジアだけでなくヨーロッパでも成長を見せています。フランスは、もともと観光地として人気であり、世界レベルの医療も保持しているため、政府はこの提案を受け入れ、アメリカン・ホスピタル・オブ・パリやギュスターヴ・ルッシーがん研究所を含む最大40の医療機関を、世界水準の紹介センターとして整備し、外部の患者の受け入れ体制を整えました。 医療ツーリズムでフランスを訪れる場合、180日間のうち90日間有効である医療目的のビザをとる必要があり、観光ビザでは代用できなくなっています。

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