THE NEWZ Vol.26 日本語
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 次に医療ツーリズムの実用例を深掘りしてみましょう。 医療ツーリズムの事例 日本では、医誠会国際総合病院と大手カード会社のJCBが協働し、メディカルツーリズムプログラムに取り組んでいます。年々人口が増加しており、2050年にはGDPが世界4位になると予想されているインドネシアをターゲットとしており、日本の最先端の健康診断を、最高級のおもてなしと共に提供する内容になっています。富裕層向けのこのプログラムに密着した報道からは、最上階のスイートルームのような病室、ルームサービスで届けられる日本の昼食、言語の壁を取り払うための通訳やコーディネーターの存在などVIPな対応が伺えました。また、検査においてもDWIBS検査という高性能MRIを使用したものや、将来的に癌にかかるリスク等を測るゲノム検査など高度な医療サービスを提供が見られました。この他にも、Emergency Assistance Japan (EAJ)や、One Medicaなど医療ツーリズム特化のエージェントが存在し、患者が入国する前から治療後までのサポートを提供しています。 最後に いかがだったでしょうか。実際に、調べる中で、医療ツーリズムは大きな可能性を秘めていると感じました。しかし、指摘されている問題点も数多く挙げられます。例えば、自由診療で海外から訪れる患者を優先的に診る方が利益が上がることから、日本人患者の治療に遅れが出てしまう可能性があります。また、海外で医療を受けた人の中には、治療に不備があったり、18フランスでも、医療ツーリズムに特化したエージェントが存在します。例えば、Medifrance Solution では、ビザ取得、医療機関の選定から通訳サービスまで提供しています。他にも、2016年に誕生したInternational Tourism and Medical Provider (ITMP)では、医療ツーリズムのコーディネートや病院との連携した患者のサポートを提供しています。中には、他の国からフランスの専門医の診察をセカンド・オピニオンとして受けられるプログラムもあり、内容は多岐にわたります。また、医療ツーリズム対応の病院も多く存在します。その一例が、アメリカン・ホスピタル・オブ・パリ、非営利の民間総合医療機関です。フランスとアメリカの最先端医療を融合して、フランス人だけでなく、アメリカ人、そしてその他からきた患者にパーソナライズされた医療を提供しています。取り返しのつかないような後遺症が残るケースもニュースになっています。国民の医療を守りつつ、バランス良い医療ツーリズムを推進活動や、海外で治療を受ける際の注意点の発信などに取り組むことが求められています。

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