THE NEWZ Vol.26 日本語
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データ分析によってもたらされる効果 より良いコストパフォーマンス 患者さん健康状態の改善 診療ミスの削減 患者がより安心して信頼できる医師を目指せる6 KMSのウェブサイトによると、DatavantのCEOであるピート・マッケイブは、ビッグデータを効果的に活用することでコスト削減が見込まれると述べています。具体的には、アメリカの医療分野で発生している余分な支出の50~70%を減らすことが可能であり、およそ5000~7500億ドルのコストを削減することが可能だと指摘されているそうです。更に、ビッグデータの力を使えば、現場での不要な出費を見つけ出し、業務の費用の見直しが可能になります。また、予測をする事で、どの部署でどれだけの医療用品が必要になるのかを予め知る事が出来るので、価格が下がったタイミングでの調達も可能になると言われています。 KMSのウェブサイトでは、医療のビッグデータの分析を通じて得られた洞察により、糖尿病や精神的な不調、自殺リスクの低下といった分野での改善に繋げられる可能性があることが紹介されています。また、Journal of Medical Internet Researchに掲載されたある研究では、データ分析の活用が、病の早期発見や、病状を上手く管理する事に役立っているという報告も見られているそうです。 KMSのウェブサイトでは、ビッグデータの活用が診療ミスの削減に繋がるのではないかと言われております。具体的には、電子カルテのデータを分析して、いつもと違うような記録を見つけた場合に、それを医療スタッフが確認できるようにする仕組みが使われはじめており、Johns Hopkins大学の研究チームは、よく間違われやすい病気と患者の症状を比較することで、誤診を防ぐための方法をビッグデータを使って考案しているそうです。 医療の現場では、データをうまく活用することで、患者さん一人ひとりに合った治療を選びやすくなっています。たとえば、これまでの診察内容や検査の結果、生活習慣など、いろいろな情報をまとめて分析することで、病気を早く見つけたり、その人に合った治療法を考えたりできるようになります。このような取り組みによって、治療の質が高まるだけでなく、患者さんに分かりやすい説明を提供しやすくなります。現在では、ビッグデータと呼ばれる膨大な情報を活かすことで、質の高い医療と患者の満足度の向上の両方を目指すことが可能になってきています。ビッグデータの活用によってもたらされる懸念点。

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