THE NEWZ Vol.27 日本語
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13官 於淇1.はじめに2.日本の「国民皆保険」 >種類>医療費の自己負担額一橋大学(日本、中国) では、隣国の中国にも同じような制度があると思いますか?答えは、あります。しかし、中国の公的医療保険は実質的な国民皆保険ではあるものの、日本と比べて制度的な問題が大きいというのが現状です。そして、日本の公的医療保険にも多くの課題が残されています。まずは日本と中国の公的医療保険がそれぞれどのようなものなのか、実際にみていきましょう。 1961年に国民皆保険が達成された当初の医療費の給付率は50%でしたが、1968年には70%にまで達しました。現在の日本の公的医療保険(国民皆保険)制度の特徴を種類と医療費の自己負担割合に分けて紹介すると次のようになります。(ただし、小学校入学までは自治体によって負担が異なったり、70歳以上でも現役並みの所得がある人は3割負担であったりなど例外もあります。残りの7~9割は現役世代の保険料や国・自治体の税金によって賄われます。) 【制度の歴史と現在】 現在の「国民皆保険」制度は1961年に実現しました。1956年頃までは、国民のおよそ3分の1にあたる約(この3種類で国民全体を網羅しています。) みなさんは医療保険がどのようなものかご存知ですか?日本では、医療保険は大きく「公的医療保険」と「民間の医療保険」に分けることができます。今回扱う前者の「公的医療保険」は「国民皆保険」とも呼ばれる社会保険制度の1つで、強制加入が原則となっています。すなわち、全ての人が公的医療保険に加入し、全員が保険料を支払うことでお互いの負担を軽減する制度となっているのです。3000万人が公的医療保険に未加入であり、医療を受けられずに亡くなる人が大勢いました。この状況を受けて1958年に国民健康保険法が改正され、全市町村における地域保険制度の設立が義務化されたことが、国民皆保険の実現の後押しとなりました。公的医療保険の課題 ー日本と中国を比較してー

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