THE NEWZ Vol.28 日本語
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このように制度と基盤を段階的に整えれば、日本は海外の後追いではなく、高精度かつ安全性を重視した「日本型医療 AI」のモデルを世界に示すことができます。逃げずに今から動き出すかどうかが、次の十年を左右する分水嶺になります。人材面では、医療 IT と臨床現場の両方を理解する専門職を体系的に養成し、病院内で開発者と医師を結びつける役割を担ってもらうことが急務です。加えて、病院、大学、企業、行政が連携する「地域 AI テストベッド」を設け、小規模でも実証しやすい環境を用意すれば、効果と課題を素早く可視化できます。成功例が増えるほど現場の心理的ハードルは下がり、患者さんに技術が届く速度は上がります。18

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