また、ふと私が消毒液を取り出した際に、友達には「何それ?」と聞かれ、携帯型の消毒液もあまり馴染みがないものであると身をもって感じました。さらに、これはあくまでもサンプルサイズが小さい観察研究なのですが、私が通っている Grinnell College で食堂に入る前に手を洗う人の割合を見ていたところ、おおよそ 10% 未満の人しか手を洗っていないことに気づき、コロナは完全に過去の遺物となってしまっていました。たとえマスクをつけたり手洗いするのが少しの手間であったとしても、人々が感染症にかかる確率を下げられるため、こういった習慣が日常生活の一部に組み込まれたと思います。ウイルス感染を防ぐためにマスク以上に大事なものがあります。それは手洗いうがい、それから消毒をすることだと思います。コロナ禍では、ウイルス感染を防ぐため、あらゆる場所に消毒液やアルコールワイプが置かれていたと思います。日本では現在も数は減りましたが、未だに建物の入り口などにアルコール消毒が置かれていたりするのを見かけます。また、多くの日本人は小さい消毒液を日常的に携帯する人も増えたかと思います。しかし、アメリカでは消毒の文化はあまり定着していなく、公共の場では消毒液を見かける機会は少なく、たとえあったとしても使っている人はほんの一握りといった印象でした。私が日米両方で暮らして感じたのは、衛生管理の観点から見たらアメリカはほぼ完全にコロナ禍前の生活に回帰し、日本はコロナ禍で学んだ習慣を吸収していったという印象でした。これらの違いは各国が大事にしている考えの違いに基づいていると思います。アメリカは個人の自由を尊重する国であるため、生活に制限を加えるマスクや手洗いを強制する習慣というのは自然と消えてしまいました。その反面、全体的な調和を尊重する日本では、3. その他の衛生管理4. おわりに6
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