THE NEWZ Vol.30 日本語
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 HPV ワクチンは不活化ワクチンに分類されます。では、不活化ワクチンとはどのようなものなのでしょうか。他の種類のワクチンと比べて見ていきましょう。 はじめに10ウィットマンカレッジ、アメリカ唐司 京香ワクチンとは?ワクチンの種類と仕組み HPV ワクチン接種が日本でも推進されていることを知り、HPV ワクチンとはどんなものなのか気になり、調べてみることにしました。ワクチンというと、新型コロナウイルの予防接種を受けたことが記憶に新しいのではないでしょうか。 そもそもワクチンとはどんなもので、HPV ワクチンはどのような種類のワクチンなのでしょうか?ワクチンは、病気の原因となるウイルスや細菌の一部を使って、体にその病気への準備をさせる薬です。あらかじめ接種しておくことで、実際にその病気にかかりそうになったときにも、体がすばやくに反応して、発症を防いだり、症状を軽くしたりすることができます。1. 生ワクチン(なまワクチン)た病原体」を使ったワクチンです。実際に病気にかかったときと似たような反応が体に起こるため、強い免疫(病気への備え)が得られ、少ない回数の接種(1 〜 2 回)で効果があります。   ただし、副反応として軽い熱や症状が出ることがあり、妊婦や体の弱っている人は接種できません。 対象の病気例は 麻しん(はしか)、風しん、水ぼうそう、おたふくかぜ、ロタウイルス、結核 などです。2. 不活化ワクチン(ふかつかワクチン)部の成分を使ったワクチンです。体の中で増えることがないため、体の弱っている人でも比較的安全に接種できます。その分、何回かに分けて打つ必要があります(通常 3 〜 4 回)。 対象の病気例は B 型肝炎、A 型肝炎、インフルエンザ、日本脳炎、HPV(子宮頸がん)、ポリオ、百日せき、肺炎球菌、ヒブ などです。生ワクチンとは病原体であるウイルスや細菌を弱めた「生き不活性化ワクチンとは殺したウイルスや細菌、またはその一3. mRNA ワクチン(エムアールエヌエーワクチン)ウイルスの設計図である(mRNA)の一部を体に入れて、体の中でウイルスのたんぱく質の一部を作らせ、それに対する免疫をつける新しいタイプのワクチンです。新型コロナウイルスのワクチンで初めて実用化されました。4. ウイルスベクターワクチン病気を起こさない、またはとても弱いウイルス(=ベクター)を運び屋として使い、その中にウイルスの設計図を入れて体に届けるワクチンです。体の中でその設計図をもとにウイルスのたんぱく質が作られ、それに対して免疫ができます。HPV ワクチンについて、日本、アメリカ、そして他国との比較

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