他国との比較アメリカでの HPV ワクチン5. 終わりに12導入され、使用が開始されました。日本では、厚生労働省による子宮頸がんワクチンの対象年齢は「小学校6年生から高校一年生の女の子」とされていますが、アメリカでは9歳から12歳の男女が推奨されています。2022 年には、9 〜 17 歳の子どもの 38.6%がヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを 1 回以上接種していました。(41.5%)は、メディケイドに加入している子供(37.0%)、その他の政府保険に加入している子供(30.2%)、保険に加入していない子供(20.7%)と比較して、HPV ワクチンを 1 回以上接種している可能性が最も高かったです。 また、障害のある子どもの方が、そうでない子どもよりもHPV ワクチンを 1 回以上接種している割合が高いという結果も出ています。居住地域別では、中央大都市圏(39.4%)、周辺大都市圏(41.1%)、中・小都市圏(39.4%)に居住する小児は、非大都市圏(30.0%)に居住する小児に比べて、HPV ワクチンを 1 回以上接種している割合が高かったです。 以上のように、国によって接種率は異なりますが、日本よりも接種の進んでいる国が多いことがわかります。HPV ワクチンによる効果や、なぜ日本で接種率を向上させようとしているのかという背景理解に少しでも役立ちますと幸いです。 2024 年 1 月現在、HPV ワクチンは世界保健機関(WHO)加盟 194 カ国の 7 割以上にあたる 137 カ国で国の予防接種プログラムに導入されています。137 カ国のうち 59 カ国では、女性だけでなく男性も予防接種の対象となっています。 WHO のデータをもとに、日本以外の G7 参加国の HPV ワクチンの接種完遂率を比較すると、国によって差はありますが、半数以上が 50%を超えています。 2019 年、WHO は子宮頸がん撲滅を目標に掲げ、2030 年までに 15 歳までの女児の HPV ワクチン接種率を 90%にする目標を掲げています。アメリカにおいて HPV ワクチンは、2006 年に欧米で開発・保険の種類別にみると、民間の健康保険に加入している子供下の図は HPV ワクチンの接種率について年齢、性別、人種による違いを示したものです。さらに、女児は男児よりもワクチン接種を受ける傾向が強いことも明らかになっています。また、HPV ワクチン接種率は、白人と比較してヒスパニック系で低い傾向にあります。
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