9 患者の孤立や生きづらさにつながっています。そのため、学校教育やメディア、SNS などを通して、精神疾患に関する正しい知識を社会全体で共有していく必要があります。こうして社会的スティグマを減らしていくことは、現在精神疾患を抱える患者さんの精神的負担を軽減するだけではなく、精神疾患をより身近な存在として理解することにつながります。そして、将来的に、メンタルヘルスに不安を抱える人たちが、困ったときに周囲へ相談したり支援を求めたりしやすい社会をつくることにもつながると考えられます。 私自身、統合失調症について学び、研究に関わる中で、「知らないこと」が偏見や恐怖につながってしまうことを強く感じました。だからこそ、まずは精神疾患について知ろうとする姿勢そのものが、スティグマを減らす第一歩になるのではないかと強く感じています。 統合失調症患者が、病気を理由に孤立したり、自分らしく生きることを諦めたりしなくてもよい社会を実現するためには、社会全体が精神疾患への理解を深め、当事者の声に耳を傾けていくことが求められているのではないでしょうか。<統合失調症患者がより生きやすい社会を実現するために > これらの研究から明らかなように、日本では現在でも統合失調症に対するスティグマが、まだ根強く残っており、それが患者の社会生活や回復に大きな影響を与えています。一方、カナダの取り組みからわかるのは、精神疾患を自分たちとは異なる存在として遠ざけるのではなく、当事者の声を社会に届けながら理解を広げていこうとする姿勢が大切であるということです。また、患者を単に支援される存在として捉えるのではなく、一人の生活者として理解しようとする考え方も重要な視点の一つであると言えるでしょう。 もちろん、日本とカナダでは文化や社会背景が異なるため、カナダの取り組みをそのまま日本に導入すれば良いというわけではありません。しかし、日本においても、精神疾患について正しく学ぶ機会を増やし、当事者の経験に触れる機会を社会の中に広げていくことは非常に重要であると考えられます。特に、統合失調症に対する危険、言動の予測ができないといった偏見は、実際の患者像とは大きく異なる場合も多く、 4. 日本における今後の課題
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