12図 1. 死亡場所の構成比較 ( 出典 : 厚生労働省 令和 5 年人口動態統計 ; ÚZIS ČR / paliativnidata.cz; Houttekier et al., 2014)それは、いつか必ず私たち自身が向き合う問いであり、家族や大切な人と分かち合う時間でもあります。「自分はどんな最期を迎えたいか」「大切な人にとって、何が “ その人らしい ”最期なのか」――そんな問いを、健康なうちから少しずつ言葉にしておくこと。それは制度の整っている国でも、そうでない国でも、変わらず大切なことなのだと思います。この記事が、読んでくださった方にとって、自分自身や大切 な人の「これから」について少し考えるきっかけになれば嬉しく思います。 日本では 2023 年時点で病院・診療所死が 65.7%、自宅死が17.0%、施設死が 15.5% と報告されています ( 注 1)。チェコでもほぼ同じ構造で、病院死が約 60%、自宅死が約 20 〜 25%、ホスピス含む施設死が 10% 強となっています ( 注 8)。両国とも「自宅で死にたい」という国民の希望 ( チェコの調査では約78%) とは大きな開きがあり、これが在宅緩和ケア整備の出発点となっています。 日本とチェコ。一方は「対話と関係性」によって、もう一方は「制度と本人の意思」によって、人生の最終段階を支えようとしてきました。この対比は、どちらが優れているという話ではなく、それぞれの社会が長い時間をかけて積み上げてきた「人を看取るかたち」そのものの違いだと思います。ただ、両国の臨床現場で共通して見えてきたのは、書面や法律だけでは決して埋められない “ 人間の揺らぎ ” の存在でした。事前にどれだけ意思を表明しても、人の気持ちは変わります。家族との関係性も、その日その時で揺れ動きます。だからこそ医療者は、制度を整えるだけでも、対話を重ねるだけでもなく、その両方を行き来しながら、一人ひとりの「最期」に寄り添い続けているのだと感じました。 終末期医療は、決して特別な人だけの話ではありません。 3. データで見る — 死亡場所の構成 4. おわりに ― 制度の先にあるもの
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